[引き留める言葉も、名を呼ぶ聲も>>180
罪悪感と共に心を切り裂く刃になる
じくじく、しくしく。胸を襲う痛みは一層強さを増して
消えてしまいたい。とすら思う。寧ろ死ぬ方がいっそ楽なのではないだろうか
そんな思考を抱いてしまう程、追い詰められていた
気を確り持たなくては
普段通りに振る舞って、魔物を屠って
そんな姿をしなければと思うのに。震える身体は上手くそれを表現できない
そんな折に――扉を叩く音が聞こえた>>183
己の姿は俯いているからきっと顔は見えない筈
ヤナギが此方を一度見遣る様子は感じたが、
其処に師がいるからとは、思わない。声を、聴くまでは
改めて自分の状態を、来訪した者向けのヤナギからの説明から拾えば
何とも酷い。情けない。是では忍というより要救助者の様だ
恐怖も快楽も。全て記憶から消えてしまえばいいのにと願っても
――刻み付けられた、あの恍惚の時間は、消えない*]
(185) 2016/06/12(Sun) 13時頃