277 黄昏草咲く出逢い辻


【人】 刻字座 ヴェルヌイユ

[認めた訳ではない、と、口にする男に、鬼は気を悪くする風もなく。>>180]

ふふ、そうだね、ここは半ば妖の領域だ。感覚も狂いやすい。
そうでなくても、タクミは迷子になりやすいのだし。

[知ったような口をきいて、揶揄うものの、手を離して欲しいという願いには、存外素直に従った。]

そうだな、其方は、もう幼な子ではないのだから、我が手を引かずとも歩けるのだな。

[しみじみと呟いたのは、やはり、なんだか母親のような口ぶりだった。*]

(185) 2020/06/03(Wed) 23時頃

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