── マーケット二週目 ──
[陽が落ちる頃。
本日の時計屋は早目の店じまいとなる。
ドアに「close」の札を出して、いつも通り黒いジャケットと帽子、白手袋という出で立ちでマーケットへ。
道すがら、携帯を取り出せばメールを一通。]
『お疲れさま。
これからマーケットに向かうけど、
そっちは仕事終わったかい。』
[一週間、あちらからの連絡はなかった。>>148
出版業について明るくはないが、彼を見ていると恐らく多忙だろうからと、こちらも連絡を控えたまま。
先週、別れ際にはだいぶ言葉もしっかりしていたし。>>138
酔いが醒めてきていたなら、きっと記憶は残っているだろう。
もし仮に記憶を失くして約束を忘れていたなら、その時はその時。また適当な理由をでっちあげて食事に付き合ってと言えば、なんとなく断られない気がしてる。
なんて。]
(185) 2019/07/31(Wed) 02時半頃