[そうして視線をヤニクからミッシェルへと戻し、どこか哀れんだ視線を向けた。ちょうど耳打ちを流し終え、その言葉を量るための視線とかち合うだろう>>133]
何、君が従属を強いられている男よりは不誠実ではないさ。
[従属という言葉を出したのは、ヤニクが彼女を下僕と称していたから>>168。
見た目ほど誠実ではないと言うミッシェルに、どこかおどけた調子で言えば、さらりと濡れた銀の髪を肩にたらしながら、彼女の瞳をまっすぐに覗く。
孤高なる獣の瞳を]
不誠実な男に嫌気が差したら、是非ともよろしく願うよ。
[耳打ちした内容と今しがた落とした言葉をかけ、真剣な声を落とす。
片手の指先を己の腰に携えた愛剣の柄に触れさせたのは、その気があるならば己の剣を貸すという改めての意思表示。
獣が飢えるように、彼女が勝利という美肉を欲している>>139ことを知らずに、一礼して男は主と妹の元へと戻った*]
(184) 2014/07/14(Mon) 17時半頃