――孤児院・院長室――
次に、あなたを必要とするところ……。
[コリーンに突然告げられた言葉を、ただ繰り返す>>88。唇が小さく震え、視えぬ眼が帽子の裏で泳いだ。
それでも凛とした声に背を伸ばすと、何とか唇が笑みを作る]
わかりました。長い間、ありがとうございますわ。
あなたの幸いが、愛が、向かう先でも見つかりますように。
[告げて、彼女を見送る。
自身も一時的にここを離れることさえ、告げられぬまま送り出す]
……どうして。
[ばたんと扉が閉じた後、ぽつりと呟く。
唐突な別離に、いつも無意識にこぼれていた言葉。俯いて、手紙の端を指で掻く。
それは自分が至らないゆえだと、すぐに自虐が戒める。吸い上げられても未だ残る感情を、押し潰すように。
"世界"からの遣いが扉を叩くまで、ずっとそうして、心の奥底に沈んでいた]
(184) 2011/04/14(Thu) 13時半頃