[それでも見付けた背に安堵するのは、少なからず動ける身体ではあると云う様相が目の前にあるからだが。>>179
(空元気、やら、気力、やら。
身体に嘘を付いている事は考えないで。)
相手の事を考えているのか、その形を以って己の我を通さんとしているのか、境の曖昧なところなのだ。
そうして見付けた姿は涼しい顔をして、何か塵でも付いているかと問うから頭を振った。
足元の、混凝土の吸い込んだ緋色には気付かないまでも、一歩分、埋まった間のせいか、気が付いた。
鉄華の臭いが、す、抜けていくのに。]
一応、場所に目処は付けた、が、
そんなに重い怪我をしたまま行くのか、
…君が思っているより疵は酷いようだが。
[涼しい顔をしていた訳が欺く為とは気付いていないままに、追い越して先を行こうとする背に、そんな声を投げかけた。>>180
疑問の形らしきものを成しているが、そのままで行かせる気はなかったりする。]*
(184) 2017/06/20(Tue) 19時頃