─ 少し前/ダンスホール ─
[ミッシェルに声をかけ、彼女の主だと思える男の反応を窺う。
>>168放たれた言葉に不快感を示したのは、ヤニクの冷たい言葉やその横柄とも取れる態度に、故国ノルドモーネの史書に刻まれた暴君達を思い出したから。
この先、きっとトレイルの父もその中に刻まれるのだろうけど]
確かに、彼女の出で立ちはこちらにはないものなので、目を惹かれるところは多くある。
……心中したとして。盾と剣である者を失い、困るのは貴公なのでは?
[心中。ああ、そうなるのか。
内心で湧いた笑みは表に出すことはなく。
ミッシェルの腰にカトラスが下がることを確認していた男は、ヤニクが彼女を戦闘員、もしくは護衛として使っているのだと予測して。湧いた不快感のままに冷めた視線で問いかけをひとつ。
言葉は、知らずミッシェルの身を、立場を案じるようなものになっている。
それは男が彼女を利用出来ないかと、その為に纏う嘘ではなく。
少年の頃夢中になった物語の獣人の姿に、湧く興味のままに向けた無意識の情のせい]
(183) 2014/07/14(Mon) 17時頃