[――意識がふわりと離される感覚。
自分の身体のはずなのに、そんな思いもゆるく溶ける。
それはかかってしまえば酷くふわふわと不安定で気怠く、
――どこか少しだけ甘美な感覚。
毒だとわかっているのに、煽ってしまうような、そんな響き。
飛び終われば、無理やり剥離された意識は徐々に帰ってきた。
乗り物に酔ったような気持ち悪さを感じつつ、レティを見れば
一緒に行こうと、そう頷くのが見えた。
掴まれた手を解き、こちらから握りかえす。
大切な人を離さないように、しっかりと。]
……ええ、レティ。わたしのかわいい妹。
あなたが望むなら、どこにだって。
[私を選んで欲しい、薄暗い気持ちは瞳の奥で燻りつづけるが、
そんな思いもすべてひっくるめて、微笑む。
…お互いに傍にいたいって、望んでいるのがわかったから。]
[レティはそれからどうしたか。クラリッサは、手を引かれたなら大人しくついていっただろうし、迷っているようなら、一先ずどうするか聞いてみただろう。]
(182) 2014/02/18(Tue) 21時頃