『ティモシー先生』っ!!
[そこには見覚えのある姿。男と同じ、生物教師。
普段は穏やかな笑顔を見せていた老年の教師が、千切れた肉片を咀嚼している。
壁に寄りかかり、項を垂れている生徒の――――先ほど生物学教室を後にしたばかりのザック>>168の腹を、食い破り。
意識が混濁しているのかもしれない。あっ、あっ、と呻き続ける少年の顔はすでに蒼白。
男の出現に反応を示さないザックのかわりに、皺と血痕が刻まれた顔が、男の方角と向けられた]
な、なんてことをされているんですかっ!?
正気ですか!? ティモシー先生!!
[同僚の顔に、正気の色が見えないことは明白だった。
されど男はティモシーを無視し、白衣からビニール手袋を取り出し装着した。
ティモシー以前に、今はザックだ。彼の腹の傷は、傍目に重傷。
……いや、現実を見るならば、腹から胸まで大きく開いた爛れた赤い穴を見るならば、すでに手遅れかもしれない。
ともあれ、男は車いすのままザックの方へと向かっていき……こちらに向かってくる人物とは、すれ違いとなってしまった。
ちょうど男に、獲物に襲いかかろうとしていただろう、ティモシーと]
(182) 2011/12/02(Fri) 02時半頃