[先にイワノフから聞いていたことを元にしての、ルパードへの問いかけ。しかし、妻については言及がなく。>>173
既にその希みを叶えるのが難しいと感じていたカリュクスにとっては、ささやかな救いだった。そのまま、家族についての話はいっとき、棚上げして。]
そうか。現世には四季というものがあるのじゃな。
――…恐らくは。
戦士の願いに沿った先へ、導くのであろ。
といっても、わらわたちにも運べぬものがある。
例えば……ここでの、記憶、とか。の。
[どの花がいつ咲くか、なんて出自であるばらですらわからない。解るのは、どの花も美しく、可憐で、戦士のために在ると言うことだけ。
過去を連れていけないのは、しがらみを持たずに未来を新しく生きるためだろう。かといって、これまでの人生がすべて、なかったことになるともカリュクスは思えなかった。
もし、そうなら。花園に来た時点で忘れてもよさそうなものだから。必要なものはすべてそろう不思議なこの場所に、かれらの記憶は確かに必要なものだろうと。]
(181) 2015/12/09(Wed) 23時頃