……俺ね、加賀宮のこと殺したりしないから。
だから安心してよ。大丈夫だから。
[痛いも怖いも空振りだった。>>160
加賀宮の目元へ触れた手が暖かい涙に濡れて、ああやっぱり泣いてたんだ、って思う。
彼の思うことなんて想像もつかずに>>161何とか安心させたくて。
俺は敵じゃないって伝えたかった。俺は加賀宮のこと、攻撃したりしない。って。
そうしていればやっと此方を向く顔。僅かに赤みの差す目元が涙に濡れて、きっと不安なんだろうなって思った。
彼の手から離した右手が柔らかそうな髪にぽんと乗って、撫で回したがった。]
[成田が演説している間、鷹谷は後ろから見る限り微動だにしなかったように見えていた。けれど。
己が自分で手の甲に刻んだ傷と、麻倉と加賀宮の声に、振り向いて此方を見たらしい彼が。>>176
床のタイルを椅子が滑る、耳障りな音が響いた。]
(180) 2015/04/03(Fri) 01時半頃