破廉恥め、良いだろう!
存分に視るが良いさ!
[幟乃は、恨めしそうにははと嗤います。けれども、苦痛に歪んでいた顔は笑みを浮かべ始めました。じわりと拡がり、ポタリと滴る赤い雫。幟乃好きな色───…、自分が赤に染まってゆくさまは快感なのです。]
…ふ…ふっふふ…はははは!
気に入った!
気に入ったよ、オスカー!もっとわたくしを楽しませてくれ。
[幟乃は実に愉快だと言わんばかりに悦びます。最初から勝利の色が濃い戦いなんて、嫌でした。即白旗を挙げる相手なんてつまらないですから。気持ちはどんどん昂ぶっていくようでした。]
…おや。
[その時、根元が燃え切った木々がガサリガサリと何本も山に折り重なって倒れ始めます。それは、また間に邪魔に入るように。その内に、オスカーの方目掛け倒れた木もあるかもしれません。]
…そう言えば君、怪我はないか。
[さて、ラピスはどうしていたのでしょうか。もしまだ傍に居たのはらば、この隙に怪我はないかと確かめるでしょう。**]
(180) 2014/12/27(Sat) 04時頃