―後日―
あら?もう行ってしまうのね。…と言っても、もう1か月になるし。
それにしても、一体テッドさん。あなた、どうしてこの村に来たんだっけ。
……まあ、この村の事気に入ってくれたなら嬉しいわ。
[満月の夜からひと月ほど過ぎた。気が付けば夜明け前の路地裏で全裸のままどろどろの粘液に塗れて眠りこけていたあの日は店も開けられないほど疲れで寝込んだが、それ以降は体調も良くなり、前より活発になったぐらいだった。
ヴェスパタインの言ったとおりに教会には行ったし、それは無駄ではなかった。神父から体内のものについて、良い事を聴けたのだから]
そろそろまた、満月が来るわね…
[以前は不安に思っていた満月だったが、今はむしろ待ち遠しい。あの日から、店で身に着ける服は一層胸元が空いた煽情的とも言えるものになったし、厚い唇から響く声に色艶が増し、蠱惑的な香りが店の中に漂うようになった。常連の者達は察しただろう。
それに、自分も前のように客に手を出すことに後ろめたさを覚えたりもしていない。]
(180) yusuron 2016/12/14(Wed) 23時半頃