─図書室─
うん、分かったわ。
[カウンターに向かう蛍都を見送りながら、図書室のあたりを見渡す。そういえば、ここはあんまり利用したことが無いな、と思った。]
ランゴリアーズ…榊先生が言っていたやつだよね。
[蛍都の振ってくれた話。ランゴリアーズ事件。飛行機の乗客を飲み込んだ、1人の少女。その話が頭に浮かんだのは沙耶も同じだった。
もし、これが誰かの心の中だとしたら、「ホスト」は誰なのだろう。そんな話になって、思い浮かべる。ホスト。それならこの世界は、その「ホスト」の理想の現れなのだろうか。]
これが誰かの心の中なら…
外に降りしきる雨は「ホスト」の悲しみ。
この校舎にいる皆は「ホスト」の望み。
きっと学校が、この実行委員の皆が好きなんだろうな…
ここが「ホスト」の理想の現れなら、ね。
[好きだからこそ、皆をここに連れて来たのかもしれない。きっと、学校は自分自身の辛いことから逃げ出せる場だったのだろうか。この実行委員の皆は、ホストにとって大事な存在だったのだろうと思った。]
(179) 2014/04/29(Tue) 21時頃