108 裏通りの絆


【人】 粉ひき ケヴィン

―パン屋「ガレット・デ・ロワ」―

[客の入りなど彼女が気にする事ではないだろうにと、
開きかけた口はまた閉じて、無言。
音を鳴らして扉を閉めてから、
パンを物色する彼女を横目に、自分はレジ前まで移る。]

言うな。

[何か言われる前に、足を止めた彼女にそう言うも、遅い。
2ヶ月前に終わった、大層繁盛した祭りの事を言われ、
渋い顔をしながら、少しの間の後返事をした。]

……クリスマス用だ。

[真顔で告げた言葉は嘘ではないものの、
この場にはいささか滑稽でもあった。]

(179) 2014/01/19(Sun) 14時半頃

← ↓ ■ □

ツール

クリップボード

ピックアップ

>>【】