[寄り添われる事で心がしくりと痛み
裾を握りしめた彼を見る目は、怯えながらも心細さと申し訳なさで
涙膜を張り、濡れる]
まちがっちゃだめだった
俺どうしよう、もうだめなの――だめなんだ、よぅ
[間違いが取り返しのつかない事もある
事実耐性頼りだった体にじわりと暗示は侵食し
先程から何度か坂町の事を伝えようとした名残か身体の中が疼いて仕方がない
今気を抜けば誰構わず男を求める――今のキルロイの様になってしまうだろう
幸か不幸か、キルロイがそうなっている事を知らぬまま
震えていれば、優しい声>>169。落ち着けという声に、深呼吸をしながらなんとか気を落ち着かせる
大丈夫、影流は同年代の同僚だし、弱みなんて見せたくない
だが彼は医療に従事する者。知られてもきっと守秘義務や患者の尊厳は守ってくれる
だから大丈夫、耐えられる――……ヤナギ以外に彼に知られるだけ、なら
そう、何とか自分を納得させた
まさか、師まで己の失態を知ったと知らずに]
(178) 2016/06/12(Sun) 12時頃