[手をつけてなかった紅茶に口をつける。ぬるい。フゥーと長く息をつく。]
…“どうでもいい”なんて思っちゃいないよ、キャロ。
オマエが人間でも、オマエがユーレーでも。
そら、オレの考え――“全滅”さえなきゃ最低でもマシだ、っていうのに反発すんのは分かる。オレのエゴに殺されんのかもしんないもんな。
でも、ユーレーと思ったヤツが違ったらどうする?オレはもう、それは“生き延びた後で考える”事にした。どうでもいいつもりでいるわけじゃねえけど。
オレはそれで良いと思ってる。偲ぶことも悔いることも後にしてもいい。
全滅しなきゃ、誰かがそうしてくれるって。
[ホレーショのほうを向いて]
何もオマエのことだけを考えてるわけじゃないよ、キャロ。
オレがこの人に噛み付いたのは別の理由だけど――例えば、ホレさんはユーレイに同情的だなって思った。
“去年二人を殺した”っていう、おぼろげな罪の記憶と心中しようとしてるみたいだ。
ホレさんが人間だからそういう事を言うのか、ユーレーだからそういう事を言うのかは――考えを決めかねてるけど。思い出を漁りながらサ。
(177) 2016/02/14(Sun) 04時半頃