ー 火の花 ー
[“店じまい”したいと言い出したシルク>>152に二つ返事で頷き返して。他の少女たちが生きて跡を残した後をついて回って……少しずつ彼女らが紡いだ糸を辿って歩く。
炎の遺跡には少女はいなかったけれど、たくさんのありがとうが咲いていて。
花の名前を知ったシルクが>>155嬉しそうに髪に挿した花をいじる。
……しゃがめと言われると、ついお座りの格好になるのは悪い癖だけれど……俺の耳元にも咲いたおそろいの花。これには思わず尻尾がぶんぶん揺れた!]
……変じゃないか?俺みたいなのが花なんか。
[そう言いながらも絶対に花を取ったりはしない。だってお揃いは嬉しいじゃないか。
シルクが砂漠の街でおねだりした銀の糸に意味があったのなんて知らなくて、俺は初めてのお揃いに目尻を下げっぱなしだ。
……水鏡で見てやっと己のだらしない表情に気付いて、キリッと引き締めようとするのだった。]*
(176) ヨキ 2016/10/20(Thu) 22時半頃