― 廊下 ―
[地下室へ続く階段の方へ、歩を進めていく。高い声が廊下の先から聞こえてくる。金色の髪が、みえた。]
ネル!
[と、嬉しげな声をかける。]
手伝いは? 終わったのかい? お疲れ様!
[廊下で邪魔になろうと、ネルを抱き締めた。
“さっきの事”で何か言われるだろうか。聞きたいことは、後で話すとも言ってある。]
さっきの事は―――ごめんね、後で。気になるようなら部屋に。
あ、クラリッサ? 久しぶりだね!元気にしていたかい!
今回の旅でも、君以外の人肌の体温を持つ雪に出会うことはなかった。
その麗しい白い肌、静かではかなげな笑顔―――
挨拶だけになっちゃうのが惜しいよ。また後でね!
[ネルとの話もそこそこ、といった様子で、後ろから見えた姿に声をかける。]
(176) 2012/01/09(Mon) 14時頃