[アマト・カザミヤは此処レグレシアの大聖堂で過ごす敬虔なる信徒だ。
兄と自分は稀有なる聖霊術士。然し昔から闇聖霊の相性が良い所為で、周囲の目はあまりよくない。
それをクラウディア様は、実力を認めて、大切にしてくださっていた…]
……クラウディア様…………。
……兄さまは…………オスカー……は……。
[表情が翳る。涙は出ない。俯いて声を震わせる。教団の為に殉死した兄と友達の死に打ち震えている。
その姿を見ていたクラウディアは気づくだろうか。新たにクラウディアにより授けられた魔力キャパシティ、悪魔の加護により、アマト本人の資質は随分と向上していた。
然し総合的な力は恐ろしく衰えている。いや、何も感じないのだ、アマトから感じられていた怨嗟や怨念そして狂気。つまり、暗黒神ルゥ=カタストロスの混沌や暗黒が。
一度は死した身。暗黒神に契約を破棄された事で、アマト本人の資質があがる代わり、悪魔の力はもうアマトには残されていない故、総合の力はまた、唯の人間に過ぎない物へ戻った事に]
(172) 2014/08/23(Sat) 17時半頃