(そうよ……そうよ!やり返さなきゃ…やり返してやるんだから!)
[少女は声を頼りに彼の元へと駆け寄る。ぺたぺたと彼の体を触って確認して、二人がどういう体勢になっているのかを把握しようとした。万が一彼の体を間違えて切り裂いてしまってはいけないから。]
きゃあ!
[だが、目が見えないというのはかなり不利だ。ケイイチに抑えこまれている強欲な男は隙を見て、屈みこんだ少女の左肩を蹴り飛ばしたようだ>>170。たまらず後ろに尻餅をついて倒れる。
倒れこんだ少女に気を取られたケイイチが強欲な男にこめかみを殴られでもしたら、少女は悲鳴を上げて、今度こそ本気で怒りを爆発させるだろう。ケイイチの腰からナイフを借り、狙いなどつけずに確実に声がする方――強欲な男の顔面に向けて、力いっぱいナイフを振り下ろすのだ。もちろん狙いが外れればナイフの刃先は地面を突いただろう。]**
(172) 2016/03/05(Sat) 23時頃