[カリ、と皮膚が齧られる痛みも、快感のスパイス。そこにきっと
痕が残るだろうと思うと、もっととせがみたくなるくらいだ。
はね……っ、ああ、はえるかも、な。
けど、ははっ、……たしかに、邪魔そうだ。
[もしかしたら既にショートパンツのように、出し入れができるのかもしれない。だが、それをしたらせっかくついた痕が隠れそうで今はいいやと首を振った。
無我夢中で首を振り懇願する中で、ひときわ優しい声が彼を呼ぶ。
そこで問いかけられた「最終試験」には。]
[初めはぜんぶ、と答えたくなった。
最中での呼び名も、彼が示す姿勢に準じてオウム返しのように返していただけ。
父としてのJ、師としてのJ、そしてまっさらな個人としてのJ
どれもそれぞれに、キルロイにとっては大切なものだ。
だけどおそらく、彼が示しているのはそこじゃない。]
(171) 2016/06/17(Fri) 02時頃