あら、それはお褒めの言葉かしら
綺麗なのは私?それとも…クイーンハート?
[くすり、笑みを返して。
けれど、答えはきっと後者。私の顔なんか、あの宝石が首元から下がって仕舞えばないようなものだもの。みんなが見るのは、ミーシャじゃなくて、《 クイーンハート 》。あの宝石を持つのならば、よほど美麗な人でないと負けてしまうだろう。
例えば、先日言った劇場の女優さん。
例えば、記事によく乗る美人セレブ。
私みたいな平々凡々な顔なんて直ぐに霞んでしまうにちがいない。だから、手に入れたいがつける気なんてさらさらない。なんて、目の前の記者にはいいもしないのだが]
ええ、全部ね。約束よ?
もしも破ったら、私怒っちゃうんだから
私が怪盗さんなら…?ふふ、面白いこと言うわね
けど、そうね。私が怪盗だったなら───
[そっと、彼との距離を詰めてみせる。避けられならばきっと続く声は聞こえないだろう]
(171) 2017/01/06(Fri) 12時半頃