[突っ伏したまま手を伸ばしてずず、と引き寄せたのは一冊の絵本、一番オーソドックスなタイプの塔の物語。
職業柄、色々読んだ経験があるのだけれど、版が古かったり、絵本でなかったりするともう少しバーションが違ったり、そもそもがハッピーエンドではなかったり、色んな事が付け加えられていたり。その本でしか記述されていない内容も多々。
悪趣味な本になると人死にの記述まであるからもう、と憤ったこともあったりするのだが。
ぱらぱらと、その絵本を流し読み。それもすぐに閉じてレジ脇に押し遣って。]
―――ねー、ミリー、ちょっとだけ店閉めて散歩でも行っちゃう?
誰も来ないしちょっとだけ、ね。
[その提案にミリーも乗り気らしくわふん、と機嫌よく声を上げて。
よーしそうと決まればー。と立ち上がろうとした所でドアベルがからん、と音を立てて。
その音に、一瞬反応が遅れてしまって。
もしかしたらダラけきっている所を、ネテスハイム日報の記者さんに見られてしまったかも*しれない*]
(170) 2011/09/25(Sun) 16時半頃