[教室に残っていたのは、補習組の面々だった。
天地兄弟の兄の方>>147と春原こころ>>111…といっても彼女の方は先生の元へ向かうようだけど。>>155
天地兄弟と春原が幼馴染だというのは、風の噂に聞いたことがあった。まあそんな噂など無くても、見ていれば大体察しがつくのだけど。
今も、ほら。
春原の吐いていった言葉なんか、いち男子高校生が耳にしていたら真に受けて悶々とした日々を送ってしまうだろうに。
当のヨスガはにこにこと平然と受け流している。
日常的に行われて来たやり取りなのだと一目瞭然だ。
この三人には、もはや何人も潜り込む隙が無いように見えた。某野球と見せかけた青春漫画の三人よろしく、三人でいるのが当たり前、よっちゃんもえっちゃんも大好きだぞ☆みたいな…違うか。
あれだと双子の片割れが死んでしまう。縁起でもない。
何がいいたいかと言えば、つまりは漫画の主人公なのだ。勉強のできる弟。ロードレーサーを目指す兄。
キラキラ輝く二人は眩しすぎて。
なんにもない自分がなおくすんで見えた。
しかし妬みの対象に祀り上げるには彼らはいい奴で。
憧れだけを抱くには存在が近くて。
結果、遠巻きからただ眺めるだけ。]
(170) 2018/08/24(Fri) 15時半頃