準因子≪カラミティ・コクーン≫? いいや、違う。
純因子≪エターナル・コクーン≫。 それが本来の呼び名だ。
然し…これまでこの世界には現れなかったのだよ。
彼、ベネディクトと適合できる、運命のファムファタルがね。
いつの時代も、彼のその力に最期まで適合しきれず。
力の逆流、そして暴走、覚醒≪熾起≫めてしまう。
その悪しき部分ばかりが発露し続けたからこそ。
純因子は準因子、カラミティコクーンと呼ばれてきた。
中には、彼自身の手で葬らざるを得なかった少女も過去にはいただろう。
その多くは、災厄を齎す忌み子と恐れられて他者の手で殺されてきただろう。
この世界はそうして、今日まで永らえて来たのだからね。
その中で、クラリッサ・フォードは比較的幸運だよ。
異なる運命のファムファタルを見出し、つかの間の幸せをつかめたのだからね。
(169) 2014/05/25(Sun) 21時半頃