― 1番ルーム ―
[鍵を開けて部屋に入り、扉を閉めて。
そっと離された身体>>91の事は、流石に引き止める訳にはいかない――そんな口実も、もう浮かばない。
身体が離れるその、間際。貴方の指が手に触れはしたけれど、革の手袋越しではその冷たさは伝わって来ずに。
部屋は思ったよりも広いようで、二人で過ごすにも快適に過ごせそうだと。
貴方に倣って荷物を部屋の端に起きながら、くるりと軽くあたりを見回してはそんな事を考える。
あの老紳士が言っていた>>1ように、冷蔵庫もちゃんとあるようで。
貴方がベッドに向かうのを尻目に冷蔵庫へと向かったのなら、その中から水のボトルを取り出して貴方の元へと歩いていく。]
…………、元々、そのつもりだった。
あぁ、さっきよりも顔色も良くなってきたみたいで安心したよ。……どうぞ。
[ベッドに座る貴方の前に立ち、少しだけ背を屈めて彼の顔を覗き込む。
何だか何時もの診察をしているような気分になってしまったから、ついつい "患者" にするように貴方の前髪をそっと払い、その顔色を観察してしまった。]
(169) 2015/11/20(Fri) 23時半頃