[幸せそうに茶をすすり、葛きりをつつく彼女を見やれば、つられて口元が緩み。自分も残りの葛きりを戴いた。]
ご馳走様。勘定、ここに置いておくよ。
[店の人にそう言い、座っていたところに二人分の代金を。
麦茶を飲み干せば立ち上がり、日向の方へと身体を向けて]
お嬢。今日のこの事は友達には内緒に、な。
[皆が聞いたら羨ましがるかもしれないし、と。
おどけたように口の前で人差し指を立てた。
贔屓をしているわけではなく、他の者が居たら奢ったのだろうが、居なかったのだから仕方が無い。仕方ないのだ。]
さて。涼んだことだし、私はそろそろ先生の家へ向かおう。
お嬢、話し相手になってくれてありがとう。楽しかったよ。
[頭を下げた。日向がどうするかにもよるが、途中まで道を共にするかもしれないし、その場で別れたかもしれない。
とりあえず、祭りの準備がどんな様子か広場の方へと寄って行こうと、幾分日差しが弱まった道を歩いて。]
(169) 2011/08/11(Thu) 00時半頃