はい、美村様。
お久しゅうございますね。
お元気で、おられましたか。
[>>167着地は先のような派手な物では無く、ゆっくりと、出来るだけ彼女に衝撃が伝わらぬよう。
それでも鋼の塊を従えている物だから、少々の騒音は多めに見て欲しい。
自分の事を、歴史書《イストワール》では無くハワードと言う個体名で呼ぶ物は数少ない。
久しぶりの名前に驚きこそすれ、戸惑いは特になく。抱きとめた懐かしい温もりに笑みを浮かべただろう。
彼女の復元典としての能力が機能し始めている事はなんとなく感じていた。
先のジャニスとの小競り合いで飛んだページも、この騒動が始まってからのページも幾つか予備が取られている事だろう。
記録の姫君《ルジストル・プランセス》としての覚醒はまだ先。
遠い過去に摩耗した力は未だ満ちておらず、急いだとしても再び彼女は眠ってしまう。
今は復元典として機能し、その記憶があればいい。
寂しさこそあれど、名を思い出してくれた。それだけで十分なのだと。
朱の髪を緩く撫でた。]
(169) 2014/11/16(Sun) 04時半頃