― 医務室 ―>>160
[ ミナカタが描いてみせた紋様を目にするものの、直接似た図案は思い当たらない。ただ、受ける印象からは――]
蝶のよう、にも見える気はしますけど……
ちょっと無理があるかもしれないです、ね。
正直にいうと、分からないです……。
[ 何らかの資料を当たれば手がかりはあるかもしれないが、その余裕は今あまり無いだろう。
考えるうち、ミナカタの妙な様子に気づく。]
っ……、ぇ、っと。
[ 状態は理解できる。理性を無くしていきなり襲われるよりは、まだ遥かに良い状況でもある。]
波……です、か。
[ ただ、一つ。
確実に不味い状況があった。波と波は時に共振を引き起こすものである。ミナカタが表に出した欲求の高まりは、空気感染する熱病のように明之進へも伝染しつつあったのだ。頬の熱さを、少年はまだ自覚症状とは感じられていない。]
(168) 2018/02/26(Mon) 01時頃