[聞き慣れぬ単語。其れが何か物の事なのか、誰かの名前かすら分からずに其処だけを問い返す。しかし逃げようとして聞こえた銃声に、そして穏やかな物腰ながら尚のこと近づいてくる相手にへなへなと膝の力が抜け座り込んでしまった。どうして、自分がこんな目に。────祖先からの天刑としては、余りにも無慈悲ではないか。血の臭いには慣れてしまった。しかし、死霊の存在など知らぬ。自分が殺した者が生き返る恐ろしさは知らなかった。況してや誰が、何故、発砲したと言うのか]い、や、────来ないでくださいまし………!
(168) 2016/02/27(Sat) 13時頃