[ それが精一杯で、ワクラバせんせいが誰かの頭を
なでるのも、ただぼんやり見ていた。いつもなら
ぼくも、ってねだったかもしれないのに。
あの後、デメテルに誘われてお絵描きをした。>>121
ぼくもデメテルも、描いたのは小鳥さん。
もしかしたら他の子もそうだったかもしれない。
ぼくは泣きたいけど、どうしてか泣けなかった。
デメテルもきっと、そう。
小さく書かれた“ごめんなさい”が、そう思わせた。
ぼくは、そんなデメテルの優しさに、また心がチクチクとしたんだ。
それは“せつない”だと思う。
どうしようも出来なくて、ぼくは自分が寂しくなったからって言って、その時デメテルに抱きついた。
どんな言葉をかけたら、元気になれるかな。
じゅぎょうで学んでいるのに使えなかったぼく。
お祈りしに行っていたのは知らなくて……]
(168) 2016/10/07(Fri) 22時半頃