痛くないのか、それ。[毛布に隠れた肌から酷く美味そうな匂いがして……唸るように腹が鳴る。それは決して焼いた川魚の匂いなんかじゃない。]シルク、冷たくないか?[毛布の上から抱き締めて、静かにその鼓動を聞く。まだこうやって生きてるじゃないか。]寒くないか……なあ。[今日はたくさん魚を凍らせて捕まえたから……って、その細い指を絡めて取って唇を押し付ける。冷たい。でも、魚と川の匂いと一緒に生きてる匂いがする。まだ、大丈夫。川辺に作った焚き火の炎で、ゆっくり魚が焼けるまでの間、そうやって甘えて過ごさせてほしい。]*
(166) ヨキ 2016/10/20(Thu) 20時半頃