[『呪いが解けるまで、相手をしてほしい』という、キルロイからの頼み。>>153
もう、恥ずかしくはないと言いながら、どこか照れがちにぼそぼそと話すキルロイ。それはそうだ。あんなことがあった後だったのだから。
―― やはり、もう元には戻れない。
いや、でも。呪いが解ければ。彼を助けることになるのなら]
分かった。じゃあ、通信機……じゃ、みんなに聞こえちゃうか
オレ、なるべくキルロイさんの部屋覗くようにする。
[そう日に何度も盛ったりはしないだろうと思った。一日一度、食事のついでにでも見回れば。
もう、後戻りはできないという微かな絶望と、
「自分だけ」という、独占欲の満たされる充足。
影流も、少しおかしくなったと言った。彼も本部の気に中てられながら、耐えていたのだろう。
けれど、キルロイは、自分を頼った。
甘い香りによるお門違いなその発想は、日頃から感じていた影流への劣等感も背中を押して。部屋を出る際、微かに口角が上がった]
(166) 2016/06/10(Fri) 16時頃