─漁村─
おうい。サドーさん、待ってくれないか!?
[リーの持っている大きなチェーンソーのすがたも興味深いことには違いないが、いましばらくは、サドーの祖国だろう日本の話の続きを聞いてみたくて。
ついでに言えば、船よりは民家のほうが目的のものには近づけそうで。
どちらが本音かはどうでもよい話と彼を呼び止めて後に続いた。
ここに来るまでのあいだ、自分でも持っているらしい地図を開くことも、さらに言えば探すことすらしなかった。
見れば他に何があるかくらいは知ることができるかも知れないが、あえてそれをする意味も見出せなかったからだ。]
僕も一緒に行くからさあ。
[ぱすぱすと靴が地面をかるくこする音をともなって、彼のもとへ。
わかれるリーには手をふりながら、笑顔で。]
それじゃあ、リーくん。またあとで!
なにか見つけたら教えてくれるんだろう?
[なんてのんびりと呼びかけながら声をかけた。]
(166) 2015/03/05(Thu) 12時半頃