[その道すがら、ととと、大人に比べたら遅い足並でも必死に走ってんだろう、ってな具合の双子にすれ違った。>>@88只、彼女たちが“此方側”だって気付いたのがすれ違う時で。青年の方も、何せ先生に会うべく急いでたもんだから。その子たちの事は後に回ってしまったってのも、目が合わなかった理由だろう。そのまま、あの濡れ羽色の髪と藤色の姿を探していた。暫く歩き回って漸く見付けた折、流石に先生はもう座っちゃあいなかったかもしれないが、先ず己は、安堵のように息を溢した。それから暫し、黒っぽいばかりに、そう易々とは分からない疵を見付けられず、まじまじと姿を見詰めていたんだろうが。>>137]*
(164) 2017/06/20(Tue) 14時半頃