[冷静になろうと視界からその姿を消したというのに、
この甥は人の神経を逆撫でさせることに特化しすぎだ。>>148
いくら拒絶しようと昔みたいに人の領域に押し入って来て、
座り込んでは動こうとしてくれやしない。]
叔父さんって呼ぶのやめろっつったっだろ。
[返す返事は一層苦々しく、低く凄んだ声で。
そう呼ばれるとどうしたって意識してしまう。思い出してしまう。
戸籍上で血縁者ではあっても、血の繋がりがないことを。
そんな繋がりにすら拘ってしまう自分の浅ましさを、見たくない。
─── だから、
目の前で揺らされる鍵を、今度は取れずにいた。
ツヴァイクの在席期間は同じで、6年分の差はここにも存在して。
その間に親しくなってる誰かと相部屋になるなんて、
想像するだけで胸やけと胃痛がいっぺんに押し寄せてくる。
俺の方がずっと一緒だったのに。そんな、子供染みた嫉妬。]
(164) 2015/11/23(Mon) 23時半頃