―Restaurant EverBlue―
[朝の仕込みの手伝いも終わり、箒を構えて表の掃除を始める。
と言っても、毎日やっている分それほど目立つ塵も無く、ついのんびりとだらけてしまう。
大半の客は今頃は祭り会場だろうか。
華やかな会場を想像していたら、少しだけわくわくしてくる。
事前交渉の結果、大体の業務をこなせば見に行っても良いとの許可は取り付けているから、今日は大手を振って出歩ける。
想像通りに港に行っていたらしいグレッグと軽い挨拶を交わし。
祭りに誘おうか悩んだ挙句、何と無く寝る前の会話の気恥ずかしさを思い出して切り出せぬまま、荷物を持つ姿を見送った]
…船が着てない、ねェ。
[確かに見下ろした港に停まる船は昨日から停泊していたものばかり。
けれど、こんなに波が穏やかなのに?
ほんの少しの胸騒ぎを気のせいだと自分に言い聞かせる。
夢も伝承も何もかも、全てはただの昔話に過ぎないのだと]
(164) 2013/09/04(Wed) 01時半頃