[仄かな花の匂いと、汗のにおいが混ざって鼻先を掠め。うっすら痕の残る首筋に、こくり、と思わず唾を飲みこんだ。] ……、蒼佑?[刺激される食欲と同時に。そわり、と言いようのない感覚が首裏を這う。予感と不安がないまぜになったようなそれに、戸惑いながら。] 蒼佑。くるしい。[蜜の味に慣れた喉が、疼く。でも決め事が頭を過ぎれば、咬むのは躊躇われて。小さく首を振れば押し付けられた肩口に、額をすりつけた。*]
(164) 2019/10/09(Wed) 01時頃