― 異変発生後/エレベーター内→??? ―
……ふう…………
[ 吐く息に唇が震える感触さえもなぜか快感を伴って感じられた。
気絶して床に横たわる三人の容態を確かめる内、少年の表情は可笑しみを覚えたようにふっと緩む。]
……こんな時に、上手くやれたなんて。変な、の。
普段からこうなら、ぼくも……
[ 彼らが非戦闘員であり、魔毒の影響下にあったことを差し引いても、悪い手際ではなかっただろう。肉体へのダメージは最小限に押さえつつ無力化に至らしめる打撃であった。
どこか自信を得たような少年の視線が止まったままの階床表示を見つめ、そしてエレベーターの床へと移った。]
――影遁《影渡り》
[ 短く唱えると共に開いた手を床に翳すように向け、ごく淡く生まれた影を見つめる。
と、一瞬後――明之進の姿は爪先から消え入るようにエレベーターの床へと吸い込まれていった。**]
【浸食値:2+1】
(163) 2018/02/22(Thu) 01時半頃