>>144
[チアキの己に対する呟き>>137は、血が抜けきらない頭にも一応届いてはいたが、答える気もなく黙って居た。…変える為にこの街を出て、変え終える為に戻ってきたのだ]
──ガキの頃とまったく一緒、なんざ。それはそれで気持ち悪ィだろ。
[ただそれだけ、チアキに投げやりな言葉を返した。
過去、幼い彼らと過ごした日々の中、己は今思えば随分と口数の少ないガキだった、と思う。子どもらしさの欠片もない、しかし世を捻た態度は今以上に青臭く、どうしようもないガキであったのは確かだ。…自分こそが、可愛げとは無縁の子どもだっただろう。
半ば老夫婦の厚意で与えて貰っていたのだろう仕事の合間、幼い彼らと過ごす時間は、忘れがちだった子ども時代の温かさを確かに己にも分けあたえてくれていた。…自身よりも弱い相手だったからこそ、ただ無条件で、可愛らしさを認め共に時間を過ごす事ができたものでもある。そんな、当時からの自身の性根の歪みっぷりは、忘れたくとも忘れられぬ記憶となって刻まれている。
ナユタがチアキに囁く言葉>>141はきこえていても鼻息をわざとらしく落として笑ってやろう──としていたのだが、]
(163) 2013/07/19(Fri) 02時半頃