[黒髪の警官>>159に転ばされれば、膝が地面に着くその直前に腕を着き、なんとか踏みとどまろうとしただろう。
────が、それも相手が腰の上に乗ったなら そんなことは叶わぬまま。
ベシャリと無様に地に頬が着いただろう。後ろから攻撃を受けたのなら、恐らく後ろからのしかかる方が楽だったはずだ。]
…ッ、この……!!
["俺たち"という言葉が耳に入れば、ちらりとその視界にあの煩く喚き立てる人形の姿を捉えようとしたか。
腕は押さえ込まれぬよう抵抗して、叶うならそのまま相手に掴みかかるつもり。]
右腕も何も、貴様などにやるものか…!
[嗚呼、痛みのせいで全く冷静でいられないのだ。それに何より、こうして動きを封じられるのが我慢ならない!やはりこの男は障害だ、と声には出さないものの視線を向けた。
「生きて動くこと」を含めて素晴らしいと彼が形容するならば、そんな美は紛い物だと嗤っただろうに。
人形は、動かず話さず、一片たりとも生を感じさせず普遍的な美があるからこそ素晴らしい。女性に限り。
……ある意味、限らないのかも、しれないが。]
(161) 2016/03/05(Sat) 18時頃