―― 回想:文化祭出し物決め ――[ 誠香は屋台に一票投じた。そして、失敗したと後悔した。 どうしても屋台がやりたかったわけではない。 どうしても演劇がやりたくなかっただけだった。 屋台に投じられた票は多くなく、 演劇の次に多かったのは喫茶店だった。 喫茶店に投票していれば もしかしたら逆転の目があったかもしれない。 そんな後悔をしても、もう遅かった。 我らが3年8組の出し物は、演劇に決定した。 そして、誠香は腹を決めた。 文化祭の主要メンバーとみなされるくらい、 積極的に関わり、活躍しよう。 立候補して所属する班を早々に決めて、 文句を言われない働きをしよう。 決して“暇なら脚本に手を貸せ”なんて 言われる余地を与えてはならない ]
(160) 2020/06/11(Thu) 13時半頃