― 広間→1階 階段前→ ―[リビングを通り抜け、階段を上がろうとした時。上階から降ってきた声、それが自分の名前を呼んだ>>158事に遅れて気付くと涙で僅かに歪んだ視線を上げて。] ……っ、ゆり ちゃん。[込み上げそうになる胃液を飲み下してゆりの名前を返した、ものの。未だ自身を苛む反発する衝動に翻弄され、意識はまとまらず向けた視線は揺らいだ。――それでも、自室に戻るには彼女の横を通り抜けなければならない。] …………、ごめ、ん。 ちょっと、気分が 悪く、 て。[嘘は言っていないし、実際に顔色は嘔吐感で血の気が引いていた。一段、一段、のろのろと足を運ぶ。階段の幅は人がすれ違える程度にはある。]
(159) 2015/01/21(Wed) 12時半頃