[距離を縮めていく彼女。>>148
昨日離れていくのとはずいぶんな差だなと驚いた。それを表情に出すことは無く。
ただ、少し幽かな声を出した。]
いえ、きっと貴方は僕の女神様だ。この先も、ずっと。
[あの人の身内に対しても、彼女に対しても、あの人自身に対しても、抱いていた感情は包み隠していた。
でも今は、隠せない。隠せる気力も今の彼にはなかった。
周りには誰もいないようなので、でも極力他には聞こえないように、蚊の鳴くような声で話し始める。]
…何も話してくれなかったんです。僕は捨てられたと思いました。
僕は貧民街出身でね。拾われてここに来たんですよ。……無様ですよね。
[自嘲気味に息を吐いて、少し押し黙る。しかし、聞こえた声>>149に、目を見開いた。]
…逃げないのですか?
珍しいこともあるもんですね。断りなんて、するわけないでしょう。
(だって貴方は僕の女神様なのだから。)**
(159) 2016/07/30(Sat) 16時頃