[部屋を出ようとしたのを、亀井が話をはじめたので足を止める。
聞かされる言葉は情報量が多すぎる。ヘクトールが、直円に、操られて、でも記憶はあって、直円はここにいる?]
――理解が追いつかないんす、けど。
とりあえずそれは、ヘクトールさんを今どうこうしたからって、事態はどうにもならない、ってこと、ですよね。
眠らせたりできるなら、別ですけど。
[眠らせる。そんなことが果たして可能だろうか。
気絶させるか、例の薬を飲ませるか。成功確率は見えてこない。]
肝に銘じます。
――と、ヤナギさんは訓練室に行く、って言ってました。
通話連絡も出来ますけど、誰が聞くかわかんないですし。
[直円を探すべきだという意見には、ゆっくりと首を横に振る。
己が決めることではないが、今向かって何が出来る、というのが正直な感想だった。]
(158) 2016/06/12(Sun) 03時頃