オレが生まれたのが去年の夏。 大学の説明会から帰る途中、 にいちゃんがバイクに轢かれて死んだんだ。[突然のことだった。轟音がした>>1:67と思えば、気付いた時には兄が目の前でぴくりとも動かず横たわっていて。身体から流れる赤い血が、今もまだ目に焼き付いている。] たったひとり残った家族のにいちゃんが死んで、 メイはひとりきりになった。 夏休み中ずっと部屋に引きこもって、毎日泣いてた。 泣いても泣いても悲しくて―― 耐えられなくなったメイは、全部忘れることを選んだ。 そうじゃないと、ひとりで生きていけそうになかった。[誰も居ない静かな家で響く泣き声。それを止めてくれるひとが居ないのが酷く悲しかった。そんな記憶も、全てオレが持っている。]
(158) 2015/06/22(Mon) 23時半頃