―大ホール―
あ、ペラジーお姉さん! はいこれ、約束のブツです!
[ペラジーの姿を見止めれば、両腕に抱えた十字架モドキをざらりと机の上に広げた。2本の棒を交差させてリボンで固定しただけのそれは、十字架と言うより、ちょっと歪なバツ印のようにしか見えない。
色はブロンズ色が大半で、銀色のものも紛れてはいるが、その材質はただの鉄。…の部屋にあった、可愛そうなスタンドライトや机の脚達のなれの果てである。]
[ちなみに、『約束のブツ』と言うか『例のもの』と言うかで、…は少し悩んだが、まぁそれは余談だ。]
好きなの選んでいいですよ、いっぱいありますし、まだまだ作れますから!
[そして、サイモンのことについては、キョトンとして、当たり前のように答える。]
え、誰かが片付けたんじゃないんですか?
何人か親しかった方いらっしゃるみたいでしたし、このお屋敷、丁度お墓もありましたし。
(157) 2014/11/09(Sun) 21時半頃