―俺ん家―
…あぁ。あそこか…
[思い返せば随分と懐かしい記憶であった。
当時の悪がき集団の中でも、一番の兄貴分であった男。
しかし男自身は何となく、着いて行っただけのような調子で。
率先して行ったのはむしろ、ヴェスパタインの方だったか。
いや、もしかしたら、パティだったかもしれない。
サイモンは、当時から変な奴で、肝試しの言葉にテンションを上げたかと思えば、いざ入るという段になってちびりそうな位怯えていたような。]
…さすがのあいつも、今更探検だの、悪戯だの、ってことも、ねぇとは思うが。
[思い出してはぼそりと呟く。
そして、ヴェスパタインの言葉には、頷きを返した。]
そうだなぁ。獣なら、頭なんて最後だろ、齧るの。
っつぅか、頭なんて食わねぇぞ。
[そして、遠吠え、の言葉には、確かに聞いたな、とやはり同意を返すのであった。]
(157) 2013/09/06(Fri) 00時頃