[突き飛ばした朧が水のクッションを出す。>>146
――それで確信した。
どんなにとぼけたふりをしていようとも、朧は「理性的な判断で」Jに毒薬を施したのだと。
呼吸の度に衝動が強くなる。
長年排泄以外に機能させない事に成功していた器官には冷却が間に合わない程の熱が集まりスラックスを押し上げていた。
今痛みで復活させた理性がまた飛びそうになっているのがわかる。
傷にマーカーを突き立てる事自体を性交渉の暗喩に見立ててしまうなど、自死したい程の屈辱だ。]
THis's "J" speaking.
複数名会議室に帰還後"J"を拘束、訓練ブースのひとつに監禁せよ。
これより指揮権はヤナギ・ベネットに委譲、"J"は死亡除名とする。
[傍らの通信機をひっつかみ、荒い息で告げた。
本当は殺せと命じたかったのに、口は監禁という言葉を紡いだ。
――朧に薬を盛られたとも、言えなかった。]
(157) 2016/06/07(Tue) 23時半頃